スマホ料金見直しには格安sim
近年話題の格安SIMというのは、何のことなのだろうか?
近年では大手キャリアのSIMロックが解除されている端末も増えてきたので、「格安SIM」という言葉をあちらこちらで耳にするようになってきましたが、格安SIMについて詳しく知っている人は少ないです。
そもそも、「SIMカードとは何なのか?」ということについても理解していない人も多いので、こちらでは、SIMカードの概要から格安SIMについてまで詳しく紹介していきます。
SIMカードとは何なのか?
SIMカードという言葉を聞いたことがないという人は少ないと思われますが、SIMカードが何を示しているのか理解している人は少ないです。
SIMカードは「Subscriber Identity Module Card」の頭文字を取ったものの総称になっていて、日本語に直訳すると「Subscriber(契約者)」「Identity(認識)」「Module(構造)」カードということになります。
つまりは、「契約者を認識する構造を持ったカード」ということになり、SIMカードを携帯電話やスマートフォン、タブレット端末に挿し込むことによって、契約者の情報を端末に認識させることが出来るということになります。
SIMカードに記録されている契約者の情報には個人のIDや電話番号、回線情報などが記録されているので、SIMカードを指すことが出来れば、どの端末であっても契約者の持ち物として認識されることになります。
車の運転をされる方ならイメージが付きやすいと思われますが、ETCカードなどが分かりやすいと思われます。
ETCカードも、自分の車ではなく、友人の車に乗って自分のETCカードを挿していれば、高速料金の支払いが自分のカードに請求されるというようなものです。
これと同じように、SIMカードを友人のスマートフォンなどに挿して契約などをすると、自分が契約をしたと認識されることになりますので、ネット料金や通話料金などが他人の端末であっても自分に請求されるということになります。
現在、スマートフォンや携帯電話に使用されているSIMカードの規格は、大きい方から順に「標準SIMカード」「MicroSIMカード」「nanoSIMカード」の3種類になっています。
毎月のスマートフォンの支払いにいくら払っていますか?
最近ではスマートフォンを所持している人が、モバイル端末に比べて圧倒的に多いとされています。
特に海外に比べて、日本人のスマートフォン所持率は異常なほどに多いようです。
電車の中や通行中でもスマートフォンの画面から目を離さない人が多いために社会問題にまで発展しています。
そんなスマートフォンの料金ですが、毎月いくらぐらい払っていますか?
もちろん、使用している人によって大きく異なりますが、docomo,au,softbankでスマートフォンを契約している人の平均額が7,000円~10,000円程度だとされています。
これは、従来のガラケーに比べると数倍の料金になっていて、スマートフォンになってから月額の料金が高くなったと感じている人も多いのではないでしょうか?
スマートフォンを携帯電話として使用しているのなら、必要な機能は「通話機能」と「ネット通信機能」の2点だと思われますが、通話機能の料金プランに関しては、年々減少の傾向にあります。
しかし、ネット接続に必要な料金(パケット定額料)に関してはガラケーの頃と比べると1.2倍~1.5倍程度の料金になっていることが珍しくありません。
また、端末の購入費用が高騰したということも理由の一つになっていて、2年縛りの契約などによって、月額料金に加算されていることも多いので、これらの金額を合計すると、月額7,000円~10,000円程度になることが特徴的です。
最近話題の格安SIMとは?
ここまでで、SIMカードの特徴や大手キャリアの料金などについては理解してもらえたと思われます。
といっても、料金プランについては日常的な事柄なので珍しく感じなかったかもしれませんが、格安SIMを紹介するためには、大手キャリアの料金プランについてしっかりと知っておかなければいけません。
ここから紹介するのが「格安SIM」の特徴となりますが、格安SIMというのは、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)と呼ばれる通信事業者が大手キャリアに比べて格安で提供しているSIMカードのことになります。
例えば、世界的にも大規模な通信事業者のDMMmobileやexiciteモバイルが提供しているようなSIMカードのことです。
大手家電量販店などに足を運ぶと、携帯電話が販売されている場所の一角に格安SIMの商品が販売されている光景もよく見かけます。
MVNOと聞くと専門用語のように感じるので難しいかもしれませんが、簡単に説明すると「格安SIMを販売している事業者」という認識で問題ありません。
MVNOは大手キャリアから通話や通信に必要な回線を大量に借り受けて、それを消費者に小口で提供してくれるので、大手キャリアに比べると、格安で通話や通信が利用できるのが特徴になっています。
格安SIMを使用すると、なぜ格安で通話や通信を利用することが出来るのか?
格安SIMの月額料金は、事業者やオプションなどによっても異なりますが、200~300円程度から、3,000円~4,000円程度になっていることが多いです。
大手キャリアに比べると半額以下になっているのがよく分かりますが、通話や通信の機能を利用しながら、これほどの低価格で提供できるのには理由があります。
- 回線をまとめて借りているために、個人に提供する際の値引きができる
- 販売に掛かるコストを削減している
- データ通信量や通信速度を制限している
これら3つの理由が挙げられます。
コスト削減については、どの企業でも行っていることだと思われるので、それほど大きな理由ではありませんが、一番の理由は「通信量や通信速度の制限」になります。
言わば、格安SIMというのは「特定の目的のみにしか使用できない」というデメリットがあるために、大手キャリアの料金プランと比べると、料金が安くなっているということになります。
格安SIMのメリットやデメリットについて
月々のスマートフォンに掛ける料金を安くすることが出来るのが格安SIMの最大のメリットになっていますが、料金だけに焦点を当てていると、格安SIMのデメリットを見逃すので注意して下さい。
格安SIMのメリットに関しては下記の3点となっています。
- 大手キャリアのプランと比べて料金が格段に安くなる
- 自分の使用状況に合ったプランを選ぶことが出来る
- 契約期間の縛りが発生しないケースが多い
大手キャリアの最大のデメリットは料金が高いということよりも、「購入してから2年以内に解約すると違約金が発生する」という仕組みにあると思われます。
10,000円ちょっとの違約金が発生することになり、端末の代金が残っていれば、その費用も合わせて請求されることになるので、契約期間の縛りがないのは大きなメリットになります。
そして、格安SIMでは、自分に合わせたプランを選ぶことができるので、流行りの自動車保険のように「走る距離だけ」というような使い方ができます。
大手キャリアが用意しているプランでは、「いくら使っても上限が定められている」というのが最大のウリになっていますが、格安SIMの場合は契約者の使用状況に合わせて料金プランを選ぶことが出来るのがポイントになっています。
格安SIMには、大きなメリットがありますが、多くのデメリットも存在します。
しかし、人によってはデメリットに感じない人も多いと思われますので、デメリットに感じない人は格安SIMを持ったほうが良いということになるでしょう。
格安SIMのデメリットは下記の7点が挙げられます。
- 音声通話が利用できないプランがある
- キャリアメールやキャリア決済など、キャリアが提供しているサービスが利用できないプランがある
- 契約時にクレジットカードが必要なケースがある
- 端末代金の割引が受けられないケースがある
- テザリングを利用できない端末やプランがある
- データ通信に制限が掛けられる
- 通信速度が遅くなることがある
以上の7点になります。
7項目もあると、分かりにくいかもしれませんが、逆にどのような人に格安SIMが向いているのかというと、「通話をする頻度が少ない」「インターネットに接続する機会が少ない」というような人にはオススメになっています。
このように聞くと、「携帯電話(スマートフォン)の使用頻度が少ない」という人にはオススメのプランになっているのが特徴的です。
インターネットに接続する機会に関しては問題がないかもしれませんが、音声通話が出来ないというのは大きなデメリットになることも多いです。
そこでオススメなのが、大手キャリアでガラケーを1台契約して、そちらのガラケーは音声通話のみのプランに設定しておきます。
そうすると、ガラケーにかかる費用は機種代金を抜いて1,000円~1,500円程度になるので、音声通話とキャリアサービスについてはこちらでカバーすることが出来ます。
そして、スマートフォンを使用したいという場合は、格安SIMを持っておいて、こちらで対応するようにすると、格安SIMの料金が音声通話を除くと1,000円~2,000円もあれば十分な通信に対応することができるので、2台合わせても3,000円~4,000円程度の出費に削減することが出来るということになります。
ただし、毎日のようにネットに接続し、スマートフォンで動画を見ると、すぐにデータ通信の制限に引っ掛かってしまうので、注意するようにして下さい。
業者別による格安SIMのおすすめランキング
格安SIMは多くの通信業者が提供している状況ですが、初心者にもオススメな格安SIMをランキング形式で紹介していきます。
それぞれの通信業者に対して特徴が異なりますので、自分に合ったプランを選ぶのがポイントになっています。
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第1位DMMmobile
世界的にも有名企業なDMMが提供している格安SIMです。
何と言っても特徴的なのが「料金プランの安さ」になっていて、月々660円(データ通信量1GB)から利用することが出来ます。DMMmobileは音声通話のプランも豊富になっていて、大手キャリアから乗り換えるという方法でも安心して利用することが出来ます。
音声通話に関しては、無料通話や家族間通話などのオプションがなく、一律で20円/30秒となっていますが、頻繁に自分から通話を掛けないという方なら納得の料金になっています。DMMmobileはdocomoの回線を使用しているので、NTTドコモの通信サービスエリアなら高速で通信をすることも可能です。
また、docomoの回線を使用しているということで、docomoが提供している端末でSIMフリーのタイプにはそのまま流用することが出来るのもポイントになっています。2つの基本的なプランが用意されていて、スマートフォンの端末とSIMカードがセットになっているプランと、SIMカードのみを利用するというプランになります。
既にスマートフォンを持っているまたは、中古ショップなどでスマートフォンのみを購入して、SIMカードを利用するという方の場合は後者のプランがオススメです。 -
第2位exiciteモバイル
exiciteモバイルの最大の特徴は「複数枚のSIMカードと契約ができる」ということにあります。
格安SIMを利用する場合、スマートフォンのみを対象にするということも多いですが、近年ではタブレット端末の普及率も高くなっているために、タブレット端末にも格安SIMを挿して利用するケースが多くなってきました。exiciteモバイルでは、SIMカードの枚数や通信量に応じて8つのプランから選ぶことが出来ます。
また、使い切れなかった通信量に関しては翌月に持ち越すことができるので、大手キャリアの無料通話プランのようになっています。
高速データ通信を利用したくない場合は機能をOFFにすることもできるので、データ通信量の節約にも繋がります。月額料金はSIMカード1枚で2GBの通信量があるプランが最低価格になっていますが、それでも770円という料金設定になっています。
音声通話のプランはありませんが、インターネット通話やスカイプ通話などを利用することで通話をすることが出来ますので、そちらで対応することが出来ます。
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第3位Nifmo
Nifmoは大手通信会社のniftyが提供している格安SIMのプランになっています。
音声通話対応のSIMカードとデータ通信専用のSIMカードの2つが用意されていて、音声通話対応のSIMカードは、月額1,600円(3GBの通信量付き)となっていて、データ通信専用のSIMカードは月額900円(3GBの通信量付き)になっています。さらに、@niftyの接続サービスを既に利用されている方は月額料金から200円の割引を受けることができるので、それぞれ、1,400円、700円ということになります。
状況に合わせたプランを選択することが出来ないのがデメリットとなっていますが、通信量から考えた際の月額料金は業界内でも格安になっているので、ある程度通信は使用するけど、それほど多くの通信は必要ないという方にオススメになっています。
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第4位Y!mobile
Y!mobileは旧社名Willcomの通信会社となっています。
現在ではソフトバンクの参加に入っていて、Softbankの回線を使用していることが特徴的です。Y!mobileの格安SIMカードは音声通話に対応しているSIMカードのみとなっていて、月額2,980円から利用をすることが出来ます。
さらに、端末も合わせて利用することになるので、MNPを利用することも出来ます。
MNPを利用すると、20,000円のキャッシュバックを受けることも出来ますので、キャッシュバックを計算すると必要な費用が大幅に減額されることになります。Y!mobileの格安SIMを利用される際には、現在の携帯番号を据え置きのまま利用したいという方におすすめです。
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第5位U-mobile
U-mobileは大手通信会社のU-NEXTが提供している格安SIMです。
古くからある通信業者ということで、通信に関してのプランが充実しているのが特徴的です。ネットだけを利用するプランの最安値は月額680円となっていて、音声通話も対応しているプランでは月額1,480円からとなっています。
その他にも、モバイルルーターのプランなども充実していて、自宅の回線をU-NEXTに変更することで特典を受けることも出来ますので、家族全体の通信プランをU-NEXTまたはU-mobileに変更すると色々と便利なポイントが多くなっています。また、平性年9月30日までに契約をすると格安SIMの通信量が最大6ヶ月間無料になるキャンペーンもしていますので、使い方を考えると、MNPのキャッシュバックや機種代金の値引きなどと比べてもオトクな状況になります。
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第6位OCNモバイルONE
OCNモバイルONEはOCNが提供している格安SIMになります。
5つのプランから選ぶことが出来て、1日あたり110MBまでというプランから1ヶ月あたり15GBまでというプランになっていて、月額料金も900円~1,800円になっているので、通信量あたりで見ると、安くなっているのが特徴的です。
また、初期費用として必要なのが3,000円だけなので、誰でも簡単に利用を開始することが出来るのがポイントになっています。また、料金プランに関しては契約をした翌月から毎月自由に変更をすることが出来るので、夏休みや年末年始などの長期休暇が重なると必然的にスマホを触る機会が増えることになりますので、忙しいシーズンと遊ぶことが多いシーズンに合わせて使い分けることが出来ます。
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第7位UQモバイル
UQモバイルは、他の大手通信業者が提供している格安SIMと一段劣って見られるかもしれませんが、auの回線を利用しているという方にはオススメです。
UQモバイルの回線はauの回線と同じものを使用しているので、通信速度と人口カバー率が高くなっているのが特徴的です。田舎や山間部などに強いauの回線なので、都心部以外で使用したいという方にはオススメになっています。
初めて格安SIMを使用する人は、どの業者を選べばいいのか?
格安SIMを提供している大手の業者だけでも多くの業者が存在するために、どの業者を選べばいいのかということが分からなくなってしまう人が多いです。
基本的に、格安SIMを使用したい人が思っていることは「価格」と「使いやすさ」と「汎用性」の3点だと思われますので、これらに焦点を当てて紹介していきます。
まずは価格に特化している格安SIMについてですが、これは「DMMmobile」と「NifMo」の2つになります。
DMMmobileは業界でもトップクラスの価格帯になっていて、NifMoは@niftyと契約をしている状況なら格安の価格帯からさらに割引を受けることができるので、価格に関しては、この2社が有力になっています。
そして、使いやすさに特化しているのはexiciteモバイルだと思われます。
Exiciteモバイルは複数のSIMカードを利用できるのが特徴になっていて、複数台のスマホやタブレット端末を所持している場合は、それらと共有することが出来ます。
データ通信量も共有することが出来て、使わなかった分に関しては翌月に繰り越すことも可能なので、複数の端末をまとめて格安SIMにしたいという方にはオススメになっています。
そして最後に汎用性についてですが、これはDMMmobileがオススメです。
使用したい状況に合わせて料金プランを選択することが出来ますし、現在持っているSIMフリーのスマートフォンやタブレット端末があるのなら、それに合わせて料金プランを選ぶことができるので、「使っている人の状況にあわせたプランが選べる」ということなら、DMMmobileがオススメの業者になっています。
ここまで、様々な格安SIMについて紹介してきましたが、大切なのは「どのように使うのか?」ということです。
格安SIMか大手キャリアのどちらかを選択しなければならないということはありませんし、毎月の費用のために不便になるのは間違っていると思われますので、自分の状況に合った方法を選ぶのが最適な手段ということになります。
オススメなのは、音声通話用に大手キャリアのガラケーを1台持っておいて、データ通信用に格安SIMのスマートフォンを1台持っておくというのが効率がよく費用の面でも優れた手段ではないでしょうか。